「この映画を作ることは、初めて恋に落ちることに似ていた」『The Summer/あの夏』ハン・ジウォン監督インタビュー到着!

©2023 LAFTEL ALL RIGHTS RESERVED.
8月15日(金)

Netflix初の韓国アニメーション作品『あの星に君がいる』の監督としても記憶に新しい、新鋭アニメーション監督ハン・ジウォンが、第51回韓国日報文学賞を受賞した「わたしに無害なひと」に収録された、チェ・ウニョンによる短編小説「あの夏」をアニメーション映画化した『The Summer/あの夏』より、ハン・ジウォン監督のインタビューが解禁された。

2015年、『思ったより澄んだ』で、韓国における劇場用アニメーション映画監督として韓国人最年少のデビューを飾ったハン・ジウォン監督。


© Elle Korea, YoungBae

『新感染 ファイナル・エクスプレス』や『ソウル・ステーション/パンデミック』のヨン・サンホ監督らからも「韓国ではなかなか見られない新しいタイプの監督」と賞賛を浴びた韓国アニメーション界が注目する新鋭だ。運命的な出会いによって恋に落ちていく2人の少女の青春の痛みと喜びを描き、韓国のミレニアル世代、Z世代の観客を魅了した本作の制作背景や、ベストセラー作家チェ・ウニョン原作の映像化への挑戦、本作に込めた思いについて語った。

◆映画の原作である、チェ・ウニョンの「あの夏」を初めて読んだときの感想を聞かせてください。


率直な感情やほろ苦さ、そして初恋に伴う情熱が心に深く響きました。個人的にリアルに感じられたのは、恋人関係にある2人の間で起こる感情の微妙な変化です。そのような感情をとらえたアニメーションを作りたいと思いました。イギョンとスイに共感したのは、私が彼らと同じ年頃だったときに初めて恋に落ちたのと、同じような戸惑いを感じたからです。

◆韓国のアニメーションでは、文学作品の映像化は決して多くないと思います。この題材をアニメ化するにあたり、どのような点を重視しましたか?


上映尺の縛りがあるので、原作よりも見せられる場面が少なくなることを念頭に、イギョンとスイの感情を表現する様々な要素を効果的に見せる方法を考えました。感情を表現するのに役立つ要素があるとすれば、それは背景です。背景を通して、インターネットが学生に普及し始めたばかりの90年代後半や、ワールドカップが韓国で開催された2002年など、様々な時代を見せたいと思いました。原作がとても繊細でリアルなので、登場人物に感情を込めるときも、大げさな表現ではなく、現実の人間の感情の範囲内に収まるように心がけました。

◆本作は、これまでの作品とどう違いますか?


私が初めて手掛けたシリーズ作品という点で大きく異なっています*。その前は、20~30分程度の単発の短編映画や、1~2分の商業用アニメーションを手掛けていました。なので、アニメーション・シリーズを手掛けることは、私にとって全く新しい経験でした。
*本作は、元々7部作のアニメシリーズとして制作され、後に長編映画として再編集された。

◆劇場で観客に伝えたいメッセージはありますか?


この映画を制作している間、私はたくさんの初めてを経験しました。そして、複雑だけど美しい初恋のように、この映画を作ることは、初めて恋に落ちることに似ていたような気がします。観客のみなさんがこの映画を観たときに、忘れていた初恋を思い出してくれることを願っています。


8月15日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町他にてロードショー

ShareSNSでシェアしよう!

作品紹介

TOP